芝生のエアレーションは、芝が活発に生育し、傷んだ部分をすぐに回復できる時期に行うのが基本です。寒地型の芝では、一般に夏の終わりから秋の初めが適期です。土の締まりがひどい場合は、次善の策として春に行うこともできます。暖地型の芝は、全面が緑になって盛んに伸び始めた晩春から初夏に行います。
エアレーションは見た目を整える作業ではなく、土壌を管理するための作業です。コアエアレーションでは小さな円柱状の土を抜き取り、空気や水の通り道をつくります。土の締まりを和らげ、種と土の接触をよくし、長い目で見るとサッチの分解も助けます。スパイク付きの靴や中実の刃は穴をあけるだけで土を取り除かないため、締まった土を改善する効果はずっと小さくなります。
作業の選び方は、サッチ除去とエアレーションの違い、芝生の追いまきに適した時期、芝生のはげた部分を早く補修する方法も参考にしてください。
最終更新日:2026年6月5日。
まず押さえたいポイント
トールフェスク、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、ファインフェスクなどの寒地型芝草は、夏の終わりから秋の初めにコアエアレーションを行います。
バミューダグラス、ゾイシア類、セントオーガスチングラス、センチピードグラスなどの暖地型芝草は、生育が活発な晩春から初夏が適期です。
土は湿っていても泥状ではない状態がよく、芝が乾燥ストレスを受けている時は避けます。抜き取った土のコアは、その場で崩れるように残しておきます。
芝の種類ごとの適期
| 芝の種類 | おすすめの時期 | 理由 |
|---|---|---|
| トールフェスク | 夏の終わり〜秋の初め | 回復しやすく、追いまきにも最適 |
| ケンタッキーブルーグラス | 夏の終わり〜秋の初め | 生育が活発で、横に広がって回復しやすい |
| ファインフェスク類 | 秋の初め | 暑さのストレスが減り、実生が定着しやすい |
| ペレニアルライグラス | 夏の終わり〜秋の初め | 涼しい気候では回復が早い |
| バミューダグラス | 晩春〜初夏 | 暖かい時期に活発に生育する |
| ゾイシア類 | 晩春〜初夏 | 全面が緑になってからがよい |
| セントオーガスチングラス | 晩春〜初夏 | 生育が活発で、低温によるストレスを避けられる |
| センチピードグラス | 晩春〜初夏 | 生育が遅いため、回復には暖かさが必要 |
大切なのは、生育中に行うことです。休眠中、猛暑や干ばつの最中、冬に入る直前は避けましょう。
エアレーションが必要かどうかの見分け方
次のような状態は、土が締まっているサインかもしれません。
- 水が土にしみ込まず、表面を流れる。
- 湿っているのに土が硬い。
- ドライバーを土に差し込みにくい。
- 芝生の上を頻繁に歩く。
- よく通る場所の芝が薄くなる。
- ほどほどの雨でも水たまりができる。
- 根が浅い。
- 粘土分の多い重い土である。
- 工事によって土が締め固められた。
- 追いまきを繰り返しても定着しない。
毎年行う必要があるとは限りません。利用が少なく、土の構造もよい芝生なら、2〜3年に1回で足りる場合があります。よく踏まれる場所や粘土質の土、子どもやペットが遊ぶ芝生では、毎年行うメリットがあるでしょう。
コアエアレーションとスパイク式の違い
中空の刃は、円柱状の土を抜き取ります。土の中に実際の空間ができ、締まりを和らげます。
中実の刃は土を横に押しのけて一時的な穴をつくるだけで、コアを抜きません。粘土質の土では、コアエアレーションの代わりとしては効果が乏しくなります。
土の締まりを改善したいなら、土を抜き取れる機械を選びましょう。
土の湿り具合が重要
刃が入る程度には湿っている必要がありますが、土が練られたり、穴の壁が塗り固められたり、車輪の跡が残ったりするほどの湿りすぎは避けます。
よい状態になりやすいのは、次のような時です。
- 雨が降った翌日。
- 軽く水を与えたあと。
- 足元がしっかりしていて、乾いて硬くはない時。
次の状態では行わないでください。
- 干ばつの最中。
- 芝が休眠している時。
- 土がぬかるんでいる時。
- 暑さで強いストレスを受けている時。
- 強い霜が降りる直前。
刃がほとんど入らなければ、土が乾きすぎている可能性があります。機械が地面を引き裂いたり、穴の壁を塗り固めたりするなら、湿りすぎです。
作業前の準備
- スプリンクラーヘッド、浅く埋められた散水管、ペット用電子フェンスの境界線、埋設ケーブルの位置に印を付けます。
- 普段の高さで芝を刈ります。
- 土が乾いていれば、前日に軽く水を与えます。
- おもちゃ、枝、ホースなどを片付けます。
- あとで追いまきをするか決めておきます。
- 種をまく場合は、使用した除草剤と播種の間に必要な間隔を確認します。
発芽前に効く除草剤を最近使っていると、追いまきが失敗する場合があります。種をまく前に製品ラベルを読んでください。
何回通ればよい?
1回通るだけでは不十分なことがよくあります。大学の普及指導機関なども、特に問題のある場所では複数回の作業を勧めています。強く締まった場所は、直角に交差する2方向から作業しましょう。
実用的な目安は次のとおりです。
- 軽い締まり:1〜2回。
- 中程度の締まり:2回。
- 強い締まり:問題箇所を重点的に2〜4回。
芝を壊さずに、効果が出るだけの穴をあけることが目標です。芝が薄く、追いまきをする予定なら、露出する土が増えることで種が土に触れやすくなります。
抜いた土のコアは拾うべき?
通常は拾いません。その場で崩れると、土と微生物がサッチ層に戻ります。乾いてから芝刈りで砕く、軽くレーキをかける、ドラッグマットを引くといった方法もあります。普通の雨でも徐々に崩れます。
特別な用途のためにすぐ表面をきれいにする必要がある場合を除き、取り除くことはめったにありません。
追いまきの前に行うエアレーション
穴や露出した土によって、種と土の接触がよくなります。寒地型の芝生で秋のエアレーションが特に有効なのは、このためでもあります。
次の順番で進めます。
- 芝を刈る。
- コアエアレーションを行う。
- 追いまきをする。
- 土壌検査に基づいて施肥するか、適切であれば播種用のスターター肥料を使う。
- 種をまいた層の湿り気を保つ。
時期の選び方は芝生の追いまきに適した時期をご覧ください。
避けたい失敗
- 芝の休眠中に行う。
- 干ばつの時に行う。
- スパイク式で土の締まりが本格的に解消すると期待する。
- 湿りすぎてぬかるんだ土で作業する。
- スプリンクラーヘッドに印を付け忘れる。
- 追いまきの前に発芽前除草剤を使う。
- 必要がないのに土のコアを拾い集める。
- 1回の作業で排水不良まで直ると思う。
エアレーションは土の締まりには役立ちますが、不適切な地面の勾配、高い地下水位、整地し直す必要のある低地は改善できません。
よくある質問
秋と春ではどちらがよいですか?
寒地型の芝では通常、秋が適しています。生育条件がよく、雑草との競争も少ないためです。締まりがひどければ春に行うこともできますが、雑草が発芽する場所もつくることになります。
夏でもできますか?
寒地型の芝では、夏の作業がストレスを増やすことがあります。一方、暖地型の芝では、活発に生育していて十分な水分があれば、初夏は理想的な時期になり得ます。
作業後に肥料を与えてもよいですか?
はい。芝が活発に生育し、土壌検査に基づく管理計画に沿った施肥であれば問題ありません。種をまく場合は、必要な養分と地域の規制に合わせて調整します。
粘土質の土も改善できますか?
締まった粘土質の土には役立ちますが、一度で解決する方法ではありません。必要に応じて繰り返し行い、正しい芝刈り、有機物の補給、濡れた土を踏まない管理と組み合わせましょう。