土のpHを上げるとは、酸性の土の酸度を弱めることです。一般的な改良材は農業用の石灰資材ですが、必要量は土壌検査の結果、育てる作物、土の粒子構成、資材の品質によって変わります。勘で施すのは危険です。石灰が多すぎると養分が利用されにくくなり、元に戻すのも難しくなります。
pHがすでに適した範囲にあるなら、昔からの園芸の習慣というだけで石灰を加えないでください。
pHを下げたい場合は、自然な方法で土のpHを下げるにはをご覧ください。
最終更新日:2026年6月6日。
まず押さえたいポイント
土壌検査を行い、推奨された量の農業用石灰資材を施し、反応するまで数か月待ちましょう。マグネシウムを加えずにカルシウムを補いたい場合は炭酸カルシウム系の石灰を、マグネシウムも不足している場合は苦土石灰を使います。木灰を適当にまいたり、検査なしで石灰を繰り返し施したりしないでください。
土のpHが低すぎるとき
酸性の土では養分が利用されにくくなり、土によってはアルミニウムやマンガンに関する問題が強まることがあります。多くの野菜は弱酸性から中性に近い土を好みますが、目標値は作物によって異なります。
土壌検査をもとに、次を判断します。
- 石灰が必要かどうか
- どれだけ施すか
- 作物に合った目標pH
- マグネシウムが不足しているか
石灰資材の種類
| 種類 | 含まれるもの | 適した用途 |
|---|---|---|
| 炭酸カルシウム系の石灰 | 炭酸カルシウム | pHが低く、マグネシウムは十分な場合 |
| 苦土石灰 | 炭酸カルシウムと炭酸マグネシウム | pHが低く、マグネシウムも不足している場合 |
| 粒状石灰 | 粒状にした石灰資材 | 散布をしやすくする |
| 消石灰 | 速効性 | リスクが高く、家庭菜園では通常、第一候補にならない |
粒状石灰は扱いやすい一方、土の中での化学的な作用は、原料とその細かさによって決まります。
石灰の施し方
- 土壌検査をします。
- 検体の提出用紙に育てる作物を記入します。
- 石灰施用の推奨内容を確認します。
- 菜園の面積を測ります。
- 正しい量を施します。
- できれば植えつけ前に、表面から約15〜20cmの土に混ぜ込みます。
- 普段どおりに水を与えます。
- むやみに追加せず、後で再検査します。
秋に施すと、春の植えつけまでに反応する時間を確保できるため、都合がよいことがよくあります。
木灰を使うときの注意
木灰はpHを上げ、カリウムも補えますが、使いすぎやすい資材です。次の場合は使わないでください。
- 土のpHがすでに高い
- カリウムが多い
- 近くに酸性土を好む植物がある
- ごみ、処理木材、汚染物質が灰に混じっている
- 均一に散布できない
木灰は、土壌検査にもとづく石灰施用の推奨に代わるものではありません。
石灰を入れすぎると起こること
石灰が多すぎると、次の問題が生じることがあります。
- pHが上がりすぎる
- 鉄が利用されにくくなる
- マンガンが利用されにくくなる
- 敏感な植物の葉が黄色くなる
- 養分のバランスが崩れる
- 酸性土を好む作物が育たなくなる
後から石灰を足すほうが、入れた石灰を取り除くよりはるかに簡単です。
容器とレイズドベッド
鉢植え用土には、pHを調整するための石灰石がすでに含まれている場合があります。用土のpHと植物の必要性が分からないまま、容器に園芸用石灰を加えないでください。
レイズドベッドでは、用土が落ち着いてから検査しましょう。堆肥、マッシュルーム栽培後の堆肥、家畜ふんが入っている場合は特に重要です。
よくある質問
石灰でpHが上がるまで、どのくらいかかりますか?
石灰の細かさ、土の水分、混ぜ方、土の種類によっては、数か月かかります。
重曹で土のpHを上げてもよいですか?
庭のpH調整に重曹は使わないでください。土壌検査にもとづく石灰施用の推奨に従いましょう。
トマトには苦土石灰を使うべきですか?
pHが低く、マグネシウムも必要な場合に限ります。マグネシウムが十分なら、炭酸カルシウム系の石灰のほうが適していることがあります。